01本店移転とは

本店移転とは、本店所在場所を移転することをいいます。
本店を移転した場合、移転日から2週間以内に管轄の法務局に本店移転登記を申請する必要があります。
本店移転には、①同一の法務局の管轄区域内に移転する場合と②異なる法務局の管轄区域に移転する場合があります。

02同一の法務局の管轄区域内に移転する場合

同一の法務局の管轄区域内での移転とは、具体的には「福岡市」に本店がある法人が「福岡市」に移転するケースです。
この場合、福岡法務局へ登記申請書を一通、提出することになります。
株式会社が本店移転をする際は、取締役会で新しい本店の所在地や移転日を決めますが、それに先立って、株主総会で定款変更の決議が必要な場合もあります。
たとえば、会社の定款に「当会社は、本店を福岡市に置く。」と定めている会社が、福岡内で本店を移転するときは定款変更が不要ですが、北九州市に移転する場合には定款変更が必要になります。
また、「当会社は、本店を福岡県嘉麻市上臼井323番地1に置く。」というように、定款で具体的な所在場所まで定めている会社の場合には、本店を嘉麻市内の別の場所に移す場合であっても定款変更が必要となります。

03異なる法務局の管轄区域に移転する場合

異なる法務局の管轄区域に移転する場合とは、具体的には「福岡市」に本店がある法人が「熊本市」に移転するケースです。
この場合、福岡法務局へ登記申請書を二通、提出することになります。
異なる法務局の管轄区域へ移転するときは、旧本店所在地、新本店所在地の双方に登記申請をする必要があります。
具体的には、旧本店所在地を管轄する法務局に対して、新旧両方の分の登記申請書などを提出します。
そして、旧本店所在地での登記手続が終わった後に、新本店所在地を管轄する法務局に対して登記申請書などが転送されます。
本店移転登記には、ひとつの法務局で登記をするごとに3万円の登録免許税がかかります。
したがって、同一法務局の管轄内の本店移転であれば登録免許税が3万円で済むのが、異なる管轄への本店移転であれば倍額の6万円かかることになります。
このように、本店移転登記では移転先や、定款の規定などによって、登記費用や必要書類に違いが出てきますので、定款をご用意いただいたうえで、司法書士へご相談くださいますようお願いいたします。