01支店とは

商法上の支店とは、会社の営業について地域的に限定された範囲で独立して取引の行われる営業所のことを言います。

つまり、本店とは別に独自の営業活動をし、対外的にも支店として独立して取引をなしうる人的・物的な組織を備えていることが必要になります。

支店には、下記の法律上の効果が生じます。

  • 支店における取引についての債務履行地となります。
  • 裁判の場合の管轄決定の基準になります。
  • 事業譲渡の目的になります。
  • 支配人を置くことが出来ます。

 

02支店の設置・移転・廃止

設置・移転・廃止のいずれの場合も、本店所在地の登記所と支店所在地の登記所に登記申請します。

本店と異なる場所で単に一時的な営業所や出張所として設置するような場合には支店設置の登記は必要ありません。しかし、会社は、本店以外に新たに永続的な営業拠点を設置した際には、支店設置の登記が必要になります。

また、すでにある出張所や営業所を支店に昇格させるというような場合も支店設置に当たります。

支店に関する事項は会社の営業に属し、取締役会の決議(取締役会がない場合は取締役の過半数の一致)によって支店設置する旨と場所、支店移転する旨と場所あるいは支店廃止する旨を決定します。(会社法348条、362条)

定款で支店所在場所を定めており、その所在場所に変更を生ずる場合、定款を変更することになりますので株主総会決議で決定しなければなりません。

03登録免許税

支店の設置・移転・廃止をした場合には、本店の所在地だけではなく、支店の所在地においても登記をする必要があります。

本店所在地における登記では、支店の設置については支店1か所につき6万円、移転については支店1か所につき3万円、廃止については申請1件につき3万円の登録免許税がかかります。

支店所在地における登記では、9,000円の登録免許税がかかります。

なお、支店設置の登記をすると、商号や本店・支店の所在場所に変更があった場合、本店の所在場所を管轄する法務局だけでなく、支店の所在場所を管轄する法務局にも登記申請をする必要があります。

04登記期間

この支店設置・移転・廃止も本店移転と同様、本店所在地で2週間以内に登記しなければなりません(支店所在地は3週間)。

2週間以内に登記しないと過料に処せられる場合もありますので、早めに手続きをすることが重要です。

 

05主な必要書類

  • 取締役会議事録(取締役の決定書)
    支店を設置する旨とその場所、移転する旨と移転先、廃止する旨を決定した際の議事録が必要です。
  • 株主総会議事録
    定款で定め支店所在場所が変更になる場合、移転・廃止を決定した株主総会議事録が必要です。
  • 委任状
    司法書士に本店移転登記を依頼する場合、登記委任状が必要です。
    会社の実印 委任状等申請書類にご捺印いただきます。