会社解散・清算結了の登記手続き

会社の事業を停止しても、それだけでは会社は無くなりません。会社の登記を抹消し、会社の法人格を消滅させるためには、「会社解散」および「清算結了」の登記をする必要があります。

1.株主総会による会社解散の決議
2.解散及び清算人選任登記
3.株主総会における清算事務報告の承認
4.清算結了登記

以上の手続きをしなければなりません。各項目ごと、簡単にご説明いたします。

01株主総会による会社解散の決議

株式会社は、株主総会の決議により解散します。会社の解散により取締役は退任し、その後は清算人が会社の清算手続きをおこないます。会社解散の決議をする株主総会において清算人を選任することもありますが、小さな会社では取締役(代表取締役)がそのまま清算人に就任することが多いでしょう。株式会社が解散し、清算人が就任したときには、遅滞なく債権者に対する公告および催告をすることとされています。

 

02解散及び清算人選任登記

会社が解散したときから2週間以内に、会社の本店所在地を管轄する法務局で、株式会社解散の登記をします。このとき、清算人選任の登記も同時に行うのが通常です。この場合、申請書の表示は「株式会社解散及び清算人選任登記」となります。

登記の添付書類となるのは、定款、株主総会議事録、就任承諾書等ですが、個々のケースにより必要書類は異なります。また、この登記をするためにかかる登録免許税は、解散(3万円)、清算人選任(9,000円)の合計3万9,000円です。

 

03株主総会における清算事務報告の承認

清算人による会社の清算手続が済んだら、株主総会を開催して清算事務報告の承認を受けます。清算結了の効力が生じるのは、上記の承認決議がなされたときです。よって、会社の法人格はこの時点で消滅することになります。

また、このとき作成する決算報告書は、次に掲げる事項を内容とするものであることが必要です(会社法施行規則150条)

  1. 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額
  2. 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額
  3. 残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額)
  4. 一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額)

※4に掲げる事項については、次に掲げる事項を注記しなければなりません。

(1)残余財産の分配を完了した日

(2)残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額

清算結了登記の添付書類となる株主総会議事録、決算報告書の記載例は次のとおりです。株主総会議事録と決算報告書とはホチキスで綴じて契印(割り印)をします。

 

04清算結了登記

株主総会で清算事務報告の承認をしてから2週間以内に、清算結了の登記をします。この登記にかかる登録免許税は2,000円です。よって、会社の解散から清算結了登記までにかかる登録免許税は、解散(3万円)、清算人選任(9,000円)、清算結了(2,000円)の合計4万1,000円です。

なお、清算手続において、「清算株式会社は、清算開始後遅滞なくその清算会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別に催告しなければならない」とされています。そして、この「一定の期間」は2ヶ月以上でなければなりません。したがって、清算結了の登記がおこなえるのは、最短でも会社の解散から2ヶ月を経過した後であることになります。